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概要
パニック障害は有病率10%程度で突然理由もなく、動悸や過呼吸、めまい、発汗、手足の震え、痺れといったパニック発作を起こし、生活に支障をきたします。
基本的に治療は認知療法、行動療法、認知行動療法などの心理療法や、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を主とした薬物療法を行います。場合によっては漢方による対応も可能な時もあります。
抑うつ、不眠などがみられることも多く、それらに対して並行して治療を進めていきます。
薬剤が比較的効きやすい病気であり、早めの治療でかなり負担が減る疾患と言えます。
診断基準
DSM-5の診断基準を簡略にしたものを以下に記します。
A. 繰り返される予期しないパニック発作。パニック発作とは、突然、激しい恐怖または強烈な不快感の高まりが数分以内でピークに達し、その時間内に、以下の症状のうち4つ以上が起こる。
- 動機、心悸亢進、または心拍数の増加
- 発汗
- 身震いまたは振え
- 息切れ感または息苦しさ
- 窒息感
- 胸痛または胸部の不快感
- 嘔気または腹部の不快感
- めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、または気が遠くなる感じ
- 寒気または熱感
- 異常感覚(感覚麻痺またはうずき感)
- 現実感消失(現実ではない感じ)または離人感(自分自身から離脱している)
- 抑制力を失うまたは“どうかなってしまう”ことに対する恐怖
- 死ぬことに対する恐怖
B. 発作のうちの少なくとも1つは、以下に述べる1つまたは両者が1ヵ月以上続いている。
- さらなるパニック発作またはその結果について持続的な懸念または心配。
- 発作に関連した行動を回避。